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#5「羅生門」芥川龍之介 2018/11

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芥川龍之介の作品をそれほど沢山読んではいない私は、いくらこの作品が傑作とか名作と呼ばれていても、まだ、この作品の良さ、凄さというものがよく分かっていない。

ただ物事というのは、なんであれ「すぐに理解できるもの」より「後になって良さが分かるもの」の方が、程度のいいものと決まっているものなので、この小説もこれから先、一生のうちにまた何度か読み返すことも必要なのかもしれない。

 

つまりこの作品、確かに強烈な光景描写だと思うし、読んだ後しばらく忘れられなくなるような強い印象が心に残るものの、そこに大きな価値を今の自分には感じ取れない。

私は、名作だからといって分かったような解釈をしたいとは思わない人間なので、今のところの自分にとっては、そういった感想しか言えない。

だからこの「羅生門」の中のおぞましい光景を読んだ後に、ああ読んでよかった、とは感想を書けない。

 

話自体は単純シンプルなものなので、深読みしようと思えば色々な解釈ができるのかもしれない。

が果たして、この下人と老婆のみにくい争いに、そこまでの深い読みが必要なのか、などと私は思ってしまうのだ。

 

われわれ読者が思っているほど、果たして作者はそういったものを狙っていたのかどうかは今となっては分からない。

作曲家などもそうであるが、芸術というものは、その作品がはっきりとした目的や主張を示しているものも無いことは無いが、一般的に私たち鑑賞する側ばかりが先走って勝手な解釈をしてしまう場合も少なくないものだ。