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#2 「吾輩は猫である」夏目漱石 2018/8

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多くの日本人が名作と呼ぶこの小説。私は初めて全部読んでみた。

 

しかし残念ながら私には、とにかく話が長く感じたし、表現も回りくどく、可愛げの無い猫の語り口があまりに嫌みに満ちていて、好きになれなかった。

 

これがユーモアと言ってもいいのかもしれないが、何より語り口やもののたとえなどがあまりに古臭く、現代の感覚からしたら笑えない部分が多かった。

それゆえ最後まで読むのもたいへんであった。

 

これは最近、私がテレビやラジオに出てくる落語家というのがすごく嫌いになったことと関係してると感じている。

 

私は最近どうも落語家という存在が好きになれなくなった。

話す内容がいつも面白く感じないし、それに加えて、しゃべり方や表情などで無理に笑いを取ろうとしてることがいつも見え見えで、笑えないことが最近特に多くなった。

 

昔の小さんや円楽(先代)や小円遊林家三平などがいた頃はどうもそんなことなかったのだが。

 

この小説には、どうもそういう雰囲気が感じられてしまって、自分には笑えなかった。

 

とにかく主人公の猫の言葉が嫌みなほど回りくどく、無理に読者を笑わせようとしてるところに嫌悪感を感じるのだ。

 

そもそもコメディ、喜劇というのは悲劇よりも難しいものであって、時代を超える悲劇は多くあるが、時代を超えた面白さを持った喜劇というのは、チャップリンなどわずかな数しかない。

 

そういった意味では、この小説のコメディ性というのは、時代を超えるようなシロモノではなく、時代遅れの古臭いギャグ、冗談の連続ばかりと言ってよい。

 

無理に面白おかしく見せている感じがしてしまうと、お笑いというのは悲惨なものになる。

 

人それぞれの好みはあるだろうが、この小説は、私には合わなかったし、その嫌味に満ちた語り口などが最後まで共感できずに読み終わった。